写真集というと背筋を正して見るような渾身の出来の作品がずらりと並んでいるものばかりをイメージしがちですが、思わず笑ってしまう写真集なんてのもあってもいいのでは?そんなことを感じていた方にはぴったりな本です。

『味写入門』の表紙。
その本のタイトルは、『味写入門』。味写とは、著者の造語だそうです。
で、この本にある写真のどこがそんなにおもしろいのか、少し説明しましょう。

『味写入門』の表紙。
その本のタイトルは、『味写入門』。味写とは、著者の造語だそうです。
で、この本にある写真のどこがそんなにおもしろいのか、少し説明しましょう。
『味写入門』に掲載されている写真は一般の方が撮ったスナップ写真。
それも傑作な作品ではなく、たいていは失敗作だったりなぜここでシャッターを切ったのか見る側が悩む写真がほとんど。
これらは、単に見ただけでは「あー、失敗しちゃったのねぇ~」と一笑もふされないで過ぎ去られたかもしれない写真たち。
それが著者によってある意味付けをされることで笑いのネタに変貌していきます。
どんな写真が掲載されているかを文章だけで紹介してみましょう。
「こども、後ろ!」とタイトルがつけられた写真。このタイトルと写真を見た瞬間に吹き出してしまいました。
この写真には、手前に二人の男の子がレンズに向かって笑顔でピースサインをしている姿が写っています。その背後に彼らのおばあちゃんにように見えるご老人がベッドに横たわっていて、左手でこの男の子に触ろうとしている瞬間が写っています。
男の子たちがはちきれんばかりの笑顔なのに対し、おばあちゃんはというと悲壮感というか危機感溢れる表情で左手を伸ばしています。
見方によっては、子どもたちが老人に襲われる瞬間とも見れなくもない瞬間。
この写真に著者がつけた「こども、後ろ!」のタイトルを重ね合わせた途端に笑ってしまったわけです。
この「こども、後ろ!」とは、かつてドリフの志村けんがコントの舞台にて背後に幽霊などが出た時に、会場に参観に来ていた子どもたちが志村に教えるべく「しむら、後ろ~」と叫ぶ、言わばお約束のネタ。
この写真も子どもたちに後ろに幽霊ならぬ、ただならぬものが近寄ってきてるぞ、気をつけろ!という意味を込めて「こども、後ろ!」と思わず叫んでしまう瞬間に見えてしまうのです。
このコントのネタに基づく笑いの伏線があって、この写真とタイトルが書け合わさり、吹き出してしまうという経緯。
文章で説明すると長々となってしまいますが、見てもらうと一目瞭然です。
こんな写真が一冊にまとめられているのが、『味写入門』です。
実は、この企画は、もともと糸井重里氏が運営するほぼ日で連載されていたもの。
サイトでもその作品を見ることができます。
・ほぼ日 味写入門
本書の帯に「プロは無理。」という糸井氏のコピーが付けられています。
この味写の写真には、この言葉は的確。なぜならどの写真も狙って撮られたものではないから。
たまたまこんな写真に撮れてしまいました、っていう写真に新たに笑いという息を吹き込んだのがこの「味写」の特徴です。
ともかく笑えます。ただ、人それぞれの笑いのツボによって笑えるものとそうでないものが混在しています。
個人的におススメなのは次のタイトルのもの。
・前衛少女
・ボクと兄貴と、ときどきオトン
・くのいち
・楳図タッチ
どれがおもしろいかは、実際のページを見て選んでください。
こういう写真の楽しみ方って本当にいいです。写真ってきれいに上手に撮ることが最上のものではないということがわかるだけで、もっといろんなものを自由に撮ってみようと思えると思いませんか?
それも傑作な作品ではなく、たいていは失敗作だったりなぜここでシャッターを切ったのか見る側が悩む写真がほとんど。
これらは、単に見ただけでは「あー、失敗しちゃったのねぇ~」と一笑もふされないで過ぎ去られたかもしれない写真たち。
それが著者によってある意味付けをされることで笑いのネタに変貌していきます。
どんな写真が掲載されているかを文章だけで紹介してみましょう。
「こども、後ろ!」とタイトルがつけられた写真。このタイトルと写真を見た瞬間に吹き出してしまいました。
この写真には、手前に二人の男の子がレンズに向かって笑顔でピースサインをしている姿が写っています。その背後に彼らのおばあちゃんにように見えるご老人がベッドに横たわっていて、左手でこの男の子に触ろうとしている瞬間が写っています。
男の子たちがはちきれんばかりの笑顔なのに対し、おばあちゃんはというと悲壮感というか危機感溢れる表情で左手を伸ばしています。
見方によっては、子どもたちが老人に襲われる瞬間とも見れなくもない瞬間。
この写真に著者がつけた「こども、後ろ!」のタイトルを重ね合わせた途端に笑ってしまったわけです。
この「こども、後ろ!」とは、かつてドリフの志村けんがコントの舞台にて背後に幽霊などが出た時に、会場に参観に来ていた子どもたちが志村に教えるべく「しむら、後ろ~」と叫ぶ、言わばお約束のネタ。
この写真も子どもたちに後ろに幽霊ならぬ、ただならぬものが近寄ってきてるぞ、気をつけろ!という意味を込めて「こども、後ろ!」と思わず叫んでしまう瞬間に見えてしまうのです。
このコントのネタに基づく笑いの伏線があって、この写真とタイトルが書け合わさり、吹き出してしまうという経緯。
文章で説明すると長々となってしまいますが、見てもらうと一目瞭然です。
こんな写真が一冊にまとめられているのが、『味写入門』です。
実は、この企画は、もともと糸井重里氏が運営するほぼ日で連載されていたもの。
サイトでもその作品を見ることができます。
・ほぼ日 味写入門
本書の帯に「プロは無理。」という糸井氏のコピーが付けられています。
この味写の写真には、この言葉は的確。なぜならどの写真も狙って撮られたものではないから。
たまたまこんな写真に撮れてしまいました、っていう写真に新たに笑いという息を吹き込んだのがこの「味写」の特徴です。
ともかく笑えます。ただ、人それぞれの笑いのツボによって笑えるものとそうでないものが混在しています。
個人的におススメなのは次のタイトルのもの。
・前衛少女
・ボクと兄貴と、ときどきオトン
・くのいち
・楳図タッチ
どれがおもしろいかは、実際のページを見て選んでください。
こういう写真の楽しみ方って本当にいいです。写真ってきれいに上手に撮ることが最上のものではないということがわかるだけで、もっといろんなものを自由に撮ってみようと思えると思いませんか?